源泉徴収とは?給料から税金が引かれる仕組みを初心者向けに解説

税金
源泉徴収とは?

会社員の給料明細を見ると、

「所得税」

という項目があり、給料からお金が引かれていることがあります。

この所得税が給料からあらかじめ差し引かれる仕組みを、

「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」

といいます。

簡単にいうと、

会社が従業員の給料から所得税をあらかじめ預かり、従業員の代わりに税務署へ納める仕組み

です。


1. なぜ給料から所得税が引かれるの?

例えば、毎月30万円の給料をもらっているとします。

給料日に、

30万円がそのまま全部振り込まれる

わけではありません。

実際には、

給料30万円 ↓社会保険料などを控除 ↓所得税を源泉徴収 ↓その他の控除 ↓銀行口座へ振り込み

という流れになります。

会社は従業員に給料を支払うときに所得税を計算して差し引き、その税金を国に納めます。

これが源泉徴収です。


2. 給料から何が引かれている?

給料明細を見ると、いろいろな項目が並んでいます。

代表的なものは、

項目内容
健康保険料健康保険のためのお金
厚生年金保険料厚生年金のためのお金
雇用保険料雇用保険のためのお金
所得税国に納める税金
住民税都道府県・市区町村に納める税金

です。

ただし、これらはすべて「源泉徴収」ではありません。

源泉徴収という言葉は、主に所得税などを給与からあらかじめ差し引く仕組みを指します。


3. 源泉徴収される所得税はどうやって決まる?

毎月の給料から引かれる所得税は、

「年間の所得税を12で割った金額」

を単純に引いているわけではありません。

毎月の給与額や社会保険料、扶養親族の人数などをもとに、国税庁が定める「給与所得の源泉徴収税額表」などを使って計算します。

そのため、

毎月引かれている所得税=1年間に最終的に支払う所得税

とは限りません。

ここが非常に重要です。


4. 源泉徴収された税金は最終的な税額ではない?

必ずしも同じではありません。

例えば、

毎月の給与から所得税が源泉徴収されていても、1年間の給与や控除などをすべて計算すると、

「税金を払いすぎていた」

ということがあります。

反対に、

「税金が足りなかった」

ということもあります。

そこで登場するのが、

年末調整

です。


5. 年末調整とは?

年末調整とは、会社が従業員の1年間の給与や所得控除などをもとに、その年に納めるべき所得税額と、これまで源泉徴収した所得税額との差額を精算する手続きです。

簡単にすると、

毎月の仮払いを、年末に正しい金額に調整する

というイメージです。


6. 年末調整で税金が戻ってくることがある

例えば、

1年間に源泉徴収された所得税

15万円

最終的に納めるべき所得税

12万円

だったとします。

この場合、

15万円-12万円─────3万円

となるため、払いすぎていた3万円が還付されることがあります。

逆に、

源泉徴収された所得税

10万円

最終的な所得税

12万円

だった場合、

不足している2万円を追加で納めることになります。


7. 源泉徴収と年末調整の違い

ここは混同しやすいので整理しましょう。

源泉徴収

毎月の給料などから所得税を先に差し引く仕組み

年末調整

1年間の所得税を計算して、源泉徴収した金額との差額を精算する手続き

つまり、

毎月 → 源泉徴収

年末 → 年末調整

というイメージです。


8. 源泉徴収票とは?

年末調整が終わると、会社から

「源泉徴収票」

が交付されます。

源泉徴収票には、

  • 1年間の給与
  • 給与所得控除後の金額
  • 所得控除の額
  • 源泉徴収された所得税
  • 配偶者や扶養親族に関する情報

などが記載されています。

簡単にいうと、

「この1年間に会社からいくら給料をもらい、所得税をいくら納めたのか」を確認するための書類

です。

転職したときや確定申告をするときなどにも使用します。


9. 副業をしている場合はどうなる?

ここは会社員にとって重要です。

例えば、

本業:会社員

副業:個人事業

という場合。

会社からもらう給与については、通常、会社で源泉徴収や年末調整が行われます。

一方、副業については、副業の所得の種類や金額などによって確定申告が必要になる場合があります。

つまり、

会社で年末調整をしたから、副業について何もしなくていい

とは限りません。

副業をしている人は、本業と副業を分けて考える必要があります。


10. 副業の収入からも税金が引かれることがある?

副業の仕事内容によっては、報酬を受け取るときに所得税が源泉徴収される場合があります。

例えば、一定の原稿料や講演料などです。

この場合、

報酬10万円

源泉徴収された税金

実際に振り込まれる金額

という形になることがあります。

ただし、すべての副業収入が源泉徴収されるわけではありません。


11. 個人事業主でも源泉徴収される?

個人事業主だからといって、必ず源泉徴収されるわけではありません。

仕事の内容や支払う相手などによって、源泉徴収が必要になる場合があります。

例えば、一定の報酬・料金については、支払う側が所得税を源泉徴収する仕組みがあります。

そのため、

「個人事業主=源泉徴収されない」

とも、

「個人事業主=必ず源泉徴収される」

とも言えません。

仕事内容や契約内容を確認する必要があります。


12. 源泉徴収された税金が多かったら?

確定申告などで最終的な所得税を計算した結果、

源泉徴収された税金のほうが多かった

場合があります。

この場合、条件を満たせば、

還付金

として税金が戻ってくることがあります。

例えば、

源泉徴収された税金 20万円最終的な所得税   15万円20万円-15万円=5万円

この場合、5万円が還付される可能性があります。


13. 源泉徴収された税金が少なかったら?

反対に、

源泉徴収された税金 10万円最終的な所得税   15万円15万円-10万円=5万円

という場合は、5万円の不足が発生します。

年末調整や確定申告などによって、追加で税金を納めることになります。


14. 源泉徴収・年末調整・確定申告の違い

3つをまとめて比較すると分かりやすくなります。

項目何をする?主なタイミング
源泉徴収給料などから所得税を先に差し引く給料支払い時など
年末調整1年間の所得税を精算する年末
確定申告自分で1年間の所得と税金を申告する原則、翌年

つまり、

源泉徴収=先払い

年末調整=会社が行う精算

確定申告=自分で行う税金の申告・精算

と考えると分かりやすいでしょう。


15. 給料30万円の人を例にすると?

例えば、会社員が毎月30万円の給与を受け取っているとします。

給料日に30万円がそのまま振り込まれるのではなく、

給与 30万円   ↓社会保険料などを控除   ↓所得税を源泉徴収   ↓住民税などを控除   ↓手取り額

となります。

そして1年間働いた後、

毎月の源泉徴収       ↓    1年間分       ↓   年末調整       ↓正しい所得税額と比較       ↓払いすぎ → 還付不足     → 追加徴収

という流れになります。


16. 「毎月の所得税が違う」のはなぜ?

給与明細を見ていると、

「先月より所得税が増えている」

ということがあります。

これは、給与額や社会保険料、扶養親族の状況などが変わったことなどによって、源泉徴収される税額が変わる場合があるためです。

特に、

  • 残業代が増えた
  • 給与額が変わった
  • 扶養親族の状況が変わった

などの場合は、毎月の源泉徴収額が変わることがあります。


17. 源泉徴収だけで税金の計算は終わり?

いいえ。

源泉徴収は、あくまで所得税をあらかじめ納める仕組みです。

最終的な税額は、

1年間の所得

給与所得控除

所得控除

税率

などをもとに計算します。

そのため、

「毎月いくら源泉徴収されたか」だけで、その年の最終的な所得税額が決まるわけではありません。


18. まとめ

源泉徴収とは、会社などが給与や一定の報酬を支払う際に、所得税などをあらかじめ差し引いて納める仕組みです。

会社員の場合は、

給料を受け取る

所得税が源泉徴収される

年末調整で1年間の税額を精算する

という流れが基本です。

そして、副業をしている場合などは、年末調整だけでは完結せず、確定申告が必要になる場合があります。

この記事のポイント

源泉徴収=所得税の先払い

年末調整=1年間の所得税の精算

源泉徴収された金額が多ければ、税金が戻る場合がある

少なければ追加で納税する場合がある

源泉徴収票は1年間の給与や所得税などを確認する重要な書類

会社員の副業では確定申告が必要になる場合がある

「給料から所得税が引かれているけど、何のお金なの?」

と思ったら、まずは給与明細の**「所得税」=源泉徴収された所得税**と考えると、仕組みが分かりやすくなります。

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