個人事業主やフリーランス、副業をしている人なら、「青色申告」という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。
しかし、
「青色申告って何?」
「白色申告と何が違うの?」
「65万円控除ってどういう意味?」
「副業でも青色申告できるの?」
など、よく分からない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、青色申告についてまったく知識がない人でも分かるように、基本からメリット、白色申告との違いまで分かりやすく解説します。
1. 青色申告とは?
青色申告とは、個人事業主やフリーランスなどが、確定申告をするときに利用できる申告方法の一つです。
事業などで得た所得について、決められた方法で帳簿を作成し、必要な書類を提出することで、青色申告特別控除などのメリットを受けられます。
簡単にいうと、
「きちんと帳簿をつけて申告する代わりに、税金の計算上いくつかのメリットを受けられる制度」
と考えると分かりやすいでしょう。
青色申告を利用するには、原則として事前に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
2. 青色申告をすると何がメリットなの?
青色申告には、主に次のようなメリットがあります。
- 青色申告特別控除を受けられる
- 事業の赤字を翌年以後に繰り越せる
- 家族に支払う給与を必要経費にできる場合がある
- 一定の条件で減価償却の特例を利用できる
特に多くの人が注目するのが、
「青色申告特別控除」
です。
3. 青色申告特別控除とは?
青色申告特別控除とは、一定の条件を満たした場合に、所得金額から一定額を差し引くことができる制度です。
控除額には、
65万円
55万円
10万円
の3種類があります。
ここで注意したいのが、
「65万円もらえる」という制度ではない
ということです。
税金を計算するときの所得から65万円などを差し引く制度です。
例えば、単純化して、
事業所得が200万円
青色申告特別控除が65万円
だった場合、
200万円-65万円=135万円
となり、税金を計算するもとになる所得が少なくなります。
そのため、結果として所得税や住民税などが少なくなる可能性があります。
4. 65万円の青色申告特別控除を受けるには?
65万円の青色申告特別控除を受けるには、一定の条件を満たす必要があります。
主なポイントは、
・青色申告をしていること
・正規の簿記の原則による記帳をしていること
・貸借対照表や損益計算書などの必要な書類を提出すること
・期限内に確定申告をすること
・e-Taxによる電子申告など、65万円控除の追加要件を満たすこと
などです。
e-Taxで電子申告する方法は、65万円控除を受けるための代表的な方法です。
一方、65万円控除の追加要件を満たさない場合でも、一定の条件を満たせば55万円の青色申告特別控除を受けられる場合があります。
また、簡易な記帳による青色申告では10万円の控除があります。
5. 青色申告の「帳簿」って何?
帳簿とは、
「事業でいくら売り上げて、いくらお金を使ったのかを記録したもの」
です。
例えば、
| 日付 | 内容 | 収入 | 支出 |
|---|---|---|---|
| 4月1日 | 商品売上 | 30,000円 | ― |
| 4月2日 | 消耗品購入 | ― | 5,000円 |
| 4月5日 | 通信費 | ― | 3,000円 |
といった形で記録していきます。
青色申告では、控除額によって求められる帳簿の方法などが異なります。
そのため、
「青色申告なら65万円控除を必ず受けられる」
というわけではありません。
6. 事業が赤字になったらどうなる?
事業を始めたばかりの頃は、
「売上より経費のほうが多かった」
ということもあります。
例えば、
売上100万円
経費150万円
だった場合、
100万円-150万円=-50万円
となり、事業は50万円の赤字です。
青色申告では、一定の要件を満たすことで、このような事業の赤字を翌年以後に繰り越すことができます。
これにより、翌年以後に利益が出た場合、その利益と過去の赤字を相殺できる場合があります。
7. 家族に給料を払う場合は?
個人事業主が家族に仕事を手伝ってもらい、給与を支払う場合には注意が必要です。
家族への給与は、原則としてそのまま必要経費にできるわけではありません。
しかし、青色申告では、一定の条件を満たして「青色事業専従者給与」の届出などを行えば、仕事の対価として相当と認められる給与を必要経費にできる場合があります。
例えば、
夫:個人事業主
妻:夫の事業を専従で手伝う
というケースです。
条件を満たせば、妻に支払った給与を事業の必要経費として計算できる場合があります。
ただし、給与の金額が仕事内容などに比べて不相当に高い場合、そのすべてが必要経費として認められるわけではありません。
8. 白色申告とは?
白色申告とは、青色申告を選択していない場合の確定申告です。
青色申告と比べて手続きがシンプルというイメージがあります。
ただし、
「白色申告なら帳簿はいらない」
というわけではありません。
白色申告でも、事業の収入や必要経費などについて記帳し、帳簿や書類を保存する必要があります。
9. 青色申告と白色申告の違い
青色申告と白色申告の違いを簡単に比較すると、次のようになります。
| 比較項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 青色申告特別控除 | あり | なし |
| 帳簿 | 必要 | 必要 |
| 赤字の繰越 | 一定の条件で可能 | 原則として不可 |
| 家族への給与 | 青色事業専従者給与 | 事業専従者控除 |
| 事前の申請 | 原則必要 | 原則不要 |
| 手続き | やや複雑 | 比較的シンプル |
| 税制上のメリット | 多い | 少ない |
10. 白色申告で家族を手伝わせる場合
白色申告の場合、家族に支払った給与をそのまま必要経費にすることはできません。
ただし、一定の条件を満たす場合、
「事業専従者控除」
という制度を利用できます。
配偶者の場合は最高86万円、それ以外の一定の親族の場合は最高50万円です。
ただし、所得金額などによって実際に控除できる金額が変わる場合があります。
11. 会社員の副業でも青色申告できる?
会社員でも、副業として個人で事業を行っている場合があります。
例えば、
本業:会社員
副業:ネットショップ
副業:Web制作
副業:デザイン
副業:コンサルティング
などです。
ただし、
「副業をしている=必ず青色申告できる」
というわけではありません。
青色申告を利用するには、青色申告の対象となる所得や事業としての実態など、一定の条件があります。
また、副業による所得について確定申告が必要かどうかも、所得の種類や金額などによって判断する必要があります。
12. 青色申告を始めるには何をすればいい?
青色申告を利用したい場合は、基本的に次の流れで準備します。
STEP1 事業を始める
個人事業主として事業を行います。
STEP2 青色申告を利用することを決める
青色申告を利用する場合は、原則として「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出します。
STEP3 帳簿を作成する
売上や経費などを記録します。
STEP4 領収書や請求書などを整理する
事業に関係する書類を適切に保存します。
STEP5 確定申告をする
1年間の売上や経費などを計算し、確定申告を行います。
13. 青色申告は難しい?
「青色申告は難しそう」と思う人もいるかもしれません。
確かに、白色申告と比べると帳簿などの管理が必要になるため、最初は難しく感じることがあります。
しかし、現在は会計ソフトなどを利用して、日々の売上や経費を入力するだけで帳簿や確定申告に必要な書類を作成できるサービスもあります。
事業を継続していくのであれば、
「面倒だから白色申告」
ではなく、
「青色申告のメリットと手間を比較して選ぶ」
ことが大切です。
14. 青色申告と白色申告、結局どっちがいい?
どちらを選ぶかは、事業の規模や今後の予定によって変わります。
青色申告が向いている人
・個人事業を継続する予定がある
・ある程度の利益が出ている
・今後事業を大きくしたい
・税金の負担をできるだけ抑えたい
・事業の赤字を繰り越したい
・家族に事業を手伝ってもらう予定がある
・帳簿をきちんと管理できる
白色申告が選択肢になる人
・青色申告を利用しない人
・事業規模が小さい
・青色申告の手続きをしていない
などです。
ただし、白色申告でも記帳や帳簿の保存は必要です。
15. まとめ
青色申告とは、個人事業主やフリーランスなどが利用できる確定申告の方法の一つです。
最大の特徴は、
青色申告特別控除
など、一定の条件を満たすことで税制上のメリットを受けられることです。
特に65万円の青色申告特別控除を受けるには、正規の簿記による記帳や期限内申告、e-Taxによる電子申告など、一定の要件を満たす必要があります。
また、青色申告には、
赤字の繰越
青色事業専従者給与
などのメリットもあります。
一方、白色申告は比較的シンプルですが、
「白色申告なら帳簿はいらない」
というわけではありません。
これから個人事業や副業を始める人は、
「青色申告と白色申告のどちらが自分に合っているか」
を事業の規模や今後の予定を考えながら選ぶことが大切です。
この記事のポイント
青色申告=税金が直接65万円安くなる制度ではない
65万円は所得から差し引く青色申告特別控除
65万円控除には一定の条件がある
青色申告では赤字を繰り越せる場合がある
家族への給与を必要経費にできる場合がある
白色申告でも帳簿は必要
青色申告と白色申告は、事業の状況に合わせて選ぶことが大切




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